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2019.03.02
中古マンションを購入して自分の好みに合わせてリノベーションを行う方法は、費用を節約しつつ、快適な居住空間を手に入れる方法として現在注目されています。そこで、この方法を検討する際に非常に重要なポイントとなる、リノベーションマンションに何年住めるかについて、以下で解説します。
国土交通省がまとめた研究調査結果によれば、鉄筋コンクリートマンション造建物の物理的寿命は117年と推定されます。この寿命年数は、外装仕上げにより延命すれば、最大で150年まで延長可能ともされています。マンションの平均寿命100年を十分に超える水準にあるということができます。
ただし、固定資産台帳の滅失データをもとに算定した鉄筋コンクリート造マンションの平均寿命は68年とする研究結果もあります。68年という年数は117年という物理的寿命より随分少ないですので、この結果から、物理的寿命まで使用されるマンションはほとんどないということが分かります。
コンクリートの寿命を決める様々な要素のうち、重要なのが鉄筋を覆うコンクリートの「かぶり厚」です。「かぶり厚」が厚いほどコンクリート建造物の寿命が増し、「かぶり厚」が3㎝で65年、4㎝で100年になると言われています。
マンションをその物理的な寿命まで使用すると仮定した場合、リノベーションマンションを購入した後に何年住めるかということについては、マンションの物理的寿命年数から購入時のマンションの築年数を差し引いた期間ということになります。例えば、マンションの物理的な寿命を100年とし、購入した中古マンションの築年数を25年とすれば、購入後に居住可能な期間は75年となります。
実際にマンションをその物理的な寿命まで使用することはほとんどありませんから、マンションの寿命を、固定資産台帳の滅失データをもとに算定した鉄筋コンクリート造マンションの平均寿命である68年とするのが、妥当でしょう。その場合には、築25年のマンションを購入した場合、購入後の居住可能期間は68年-25年=43年となります。
購入後に43年間居住が可能だとすると、例えば、40歳の時に中古マンションを購入すると、83歳まで居住可能ということになり、ほぼ一生涯リノベーションしたマンションに住み続けることができます。
マンションの物理的寿命は100年を超え、さらに、定期的に外装の塗装を行うなどのメンテナンスを適切に行った場合には、150年を超えると言われています。しかし、不動産調査会社である東京カンティが2014年7月に公表したデータによると、全国の建替え事例198件から算定したマンションの平均寿命は33.4年と、物理的な寿命からすると非常に短い年数となっています。
もっとも、東京カンティが公表したデータは、建替えられたマンションの建替え時点での築年数の平均ですので、老朽化したマンションが建替えられることなく放置されている現状を考えると、33.4年をマンションの平均寿命と考えるのは少し無理があります。しかし、マンションの建て替えを想定した場合には、マンションの寿命はその物理的な寿命より大幅に短くなります。
マンションの平均寿命を33.4年とすると、築25年の中古マンションを購入した場合には、購入後に居住できる期間はたったの8.4年になってしまいます。
マンションの物理的な平均寿命は100年以上あると言われているのですが、固定資産台帳の滅失データから推定される実際のマンションンの平均寿命は68年、建替えられたマンションに限るとその平均寿命は33.4年と、物理的な寿命を大幅に下回ります。
マンションの物理的な平均寿命と実際のそれが大きく異なる要因としては、社会的要因と経済的要因の2つが考えられます。社会的要因とは、社会的に取り残されて陳腐化した設備や間取りなどにより、所有者自身がもう住めないと判断して、住む人がいなくなることによりマンションの寿命が短くなることです。
一方の経済的要因とは、居住者の高齢化や空室の増加により修繕積立金が十分に集まらなくなり、マンションの定期的なメンテナンスが疎かになることによって、マンションの寿命が短くなることです。
中古マンションを購入してリノベーションを行った場合に、そのリノベーションマンションにどれくらい住めるかということについては、マンションの物理的な寿命、社会的要因、経済的要因、建て替えマンションの平均寿命を総合的に考えると、築25年のマンションを購入するとすれば30年程と思います。マンションはとても大きな買い物ですので、築年数も考慮して検討頂ければと思います。