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2019.04.18
中古マンションの購入を検討される場合、不動産取引の種類に注意する必要があります。取引の種類には、「売主物件」「仲介」「販売代理」などがありますが、このうち、「売主物件」について、他の取引の種類などと比較しながら、以下で解説します。
インターネット上で不動産に関する情報を検索すると、「売主」「仲介」「販売代理」などといった文字の表示が目に入ります。これは、物件を購入する際の取引の種類を表示しています。普段はあまり気にも留めないこれらの表示ですが、この種類の違いによって、取引に係る費用や、取引の性質が異なってきますので、注意が必要です。
中古マンションの購入を検討する場合、ほとんどの方は、物件の販売価格や立地条件、築年数や日当たりなど見て、購入するかしないかを決められると思います。しかし、取引の種類が、「仲介」なのか「販売代理」なのか「売主物件」なのかを確認することも重要です。
中古マンションの物件価格が大きい場合には、「仲介」と「売主物件」の違いだけで、100万円以上も費用が異なってくることがあります。そのことを考えると、この違いは決して見逃してよいものではありません。
売主物件とは、売主が直接販売している物件のことです。売主物件は、個人が所有している中古マンションを、買主が直接その個人から購入するようなケースや、不動産会社が自社で保有している中古マンションを買主が購入するケースが該当します。
不動産取引においては、通常は、「不動産仲介業者」に物件を探してもらいます。このケースでは、仲介業者は、買主の要望にあった中古マンションを売りに出している売主を探して、その売買を仲介します。仲介するだけなので、仲介業者が所有している中古マンションを買主に売るわけでなく、この点が、売主物件とは異なります。
中古マンションを購入しようとされる方は、不動産会社等のホームページに掲載されている物件の情報を閲覧されると思いますが、その際、「売主物件(又は自社物件)」の表示があれば、それは、中古マンションの所有者から直接物件を購入する形態で取引を行うものであるということになります。
売主物件の中古マンションを購入するメリットとしては、仲介手数料を支払う必要がないことがあげられます。買主と売主の間を不動産仲介業者が仲介する取引の場合、契約が決まると、売買価格×3%+6万円+消費税(売買価格400万円以上の場合)を上限額とする、仲介手数料を不動産業者に支払う必要があります。
仲介ではなく、売主物件を購入する場合には、業者にこの仲介手数料を支払う必要がありません。仲介手数料は、例えば、4,000万円の中古マンションを購入した場合、仲介した業者が上限額を請求するとした場合、4,000万円×3.24%+64,800円=136万円800円となります。従って、売主物件を購入すれば、このケースでは100万円以上の費用の節約となります。
その他、不動産会社を相手に売主物件を購入する場合には、不動産会社は自社物件ということで、物件に関する正確な情報を把握していることが多く、そのため、取引で失敗する可能性が少なくなることも、売主物件のメリットとして上げられます。
不動産仲介業者を通じて不動産を購入する場合には、住宅ローンの設定を含めて事業者がいろいろ相談に乗ってくれたり、手続きの代行をしてくれるのが普通です。しかし、売主物件の場合には、物件の調査や取引に関する対応は自分で行うのが原則です。万が一、失敗した場合でも、自分で責任を取らなくてはなりません。
個人相手の売主物件の購入の場合には、ほぼ完全にすべての取引・手続きを自分で行う必要がありますので、不動産に詳しい方でないと、少々難しいかもしれません。不動産会社相手の売主物件の購入の場合、売主の方で、多少は手続きの面倒を見てくれるかもしれませんが、このケースでも、自分で対応するのが基本です。
不動産会社相手の売主物件の交渉の場合、プロ相手に価格交渉などを行う必要がありますから、相手が悪徳の事業者だと、詐欺まがいの手に引っかかって大損する可能性があります。
仲介取引の場合、仲介する不動産会社は、自社が所有する物件はもちろん、他の不動産会社や個人が保有する物件の中から、買主の要望に最も適合する物件を選択して、買主に紹介することが可能です。
一方、売主物件の場合、買主に紹介できるのは、自社が保有する物件の中から選ぶほかありませんから、選択の幅が狭くなります。できるだけ多くの物件の中から、自分の要望に最もフィットする物件を購入したいという場合には、仲介取引の方がいいでしょう。中古マンションは非常の大きな買い物ですから、仲介手数料を支払っても、幅広い選択肢の中から、できるだけいいものを紹介してもらいたいという考えも当然成り立ちます。
なお、不動産会社の保有物件は、インタ―ネット上のホームページなどである程度は調べることはできますから、その中に是非購入したいという物件がある場合には、その物件を保有している不動産会社に直接購入を申し込み、売主物件として購入してもいいでしょう。
売主物件で多いのは、物件情報を出している広告主が開発・分譲した物件を直接販売するケースです。広告主が建築・分譲したマンションを、広告主自らが販売すれば、当然、売主物件に該当します。売主物件といった場合には、このケースをイメージすると分かりやすいかもしれません。
新築分譲マンションの販売でも、土地開発業者が直接販売するのではなく、販売代理店を通じて販売するというケースが多いのですが、土地の購入から建築・販売までを一貫して行う会社もあり、そういった会社は、売主物件を取り扱います。
中古マンションの場合には、不意動産会社が物件の在庫を保有する数には限界があり、多様な物件を顧客に紹介するためには、どうしても、仲介も必要となるため、自社物件による取引はそれほど多くはありません。中古マンションの取引を行う不動産会社では、多くの在庫を抱えると在庫費用がかさむので、在庫を出来るだけ少なくしようとする傾向があります。
不動産業者を仲介して中古マンションの購入をする場合には、住宅ローンの設定を含めて不動産会社がいろいろとお世話をしてくれます。売主との価格交渉も引き受けてくれます。一方、売主物件の場合には、契約手続きや住宅ローンなどのそれに付帯する諸手続きは、すべて自分で行うのが原則です。
時間が取れない方や、不動産にあまり詳しくない方であれば、仲介手数料はかかりますが、プロである不動産事業者による仲介を選んだ方がいいかもしれません。一方で、不動産に詳しく、時間に余裕のある方であれば、売主物件の方がいいでしょう。また、売主物件の場合には、不動産業者に支払う手数料が発生しませんから、1円でも安く中古マンションを購入したいという方にも向いています。
現在は、インターネット上で様々な不動産に関する情報が公開されていますから、時間に余裕のある方であれば、そういった情報源から情報を集めて不動産通になり、売主物件での中古マンションの購入を成功させることは十分に可能です。
中古マンション取引には、売主物件、仲介の他に、販売代理というものもあります。販売代理は、中古マンションの売主から代理権を与えられた不動産会社が、物件所有者である売主の代理人として、販売活動から契約までを行うものです。代理権を与えられた不動産会社は、売主と同様の立場ですから、買主は、売主と直接取引をしているのと実質的には同じくなります。
販売代理の場合、契約が成立しても、買主は代理店に対して手数料を支払う必要はありません。この点、売主物件と同じです。販売代理の場合には、契約が決まると、買主から販売代理店に対して、手数料が支払われます。
販売代理は、売主物件とよく似ていますが、売主が直接買主とやり取りするのではなく、間に代理業者が入ることが主な相違点です。仲介手数料の支払いが不要ですので、販売代理で取引を行う場合には、費用を節約できます。