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2019.05.10
中古マンションに関わるトラブルで最も多いのが、騒音に関するトラブルです。マンションの近隣から発する、子供の泣き声や騒ぐ声、ペットの鳴き声がうるさいなどという苦情は、どこのマンションにもつきものです。そこで、以下では、中古マンションを購入した際に、簡単にできる防音対策について解説します。
マンションの近隣トラブルで最も多いのが騒音だと言われています。騒音の中では、「子供をしかりつける親の声」「子供の騒ぐ声」「ペットの鳴き声」など、子供やペットに関する騒音が、特にトラブルの原因になり易くなります。ペット禁止のマンションであれば、ペットの声がトラブルになることはないと思いますが、普通のマンションであれば、子供の居住を禁止するマンションはないと思いますので、防音対策が不十分なマンションに引っ越した場合には、子供の騒ぐ声など、子供に関する騒音に悩まされる可能性はあります。
中古マンションを探す場合、販売価格や立地条件を中心に考えますが、マンション近隣トラブルで最も多いのが、騒音トラブルであることから、騒音対策が十分であるかどうかということも、物件を選択する際の重要なポイントとなります。
中古マンションを購入して、リノベーションを行うという方法が最近流行していますが、リノベーションの際に、防音対策も同時に施すと、入居後に騒音に悩まされる可能性が低くなります。リノベーションがうまくいって素敵な住宅を手に入れたけれども、近隣住民の生活音がうるさくて我慢がならないというのでは、リノベーション効果は半減します。
床スラブ(マンションの専有部分の床を構成するコンクリート)と床フローリングの間に空間を設ける二重床を設定したり、壁の内部に吸音材や遮音材を使用したりすれば、リノベーションによってマンションの防音効果を上げることができます。
中古マンションのリノベーションは、自分の好みに合った快適な居住空間を手に入れることに主眼を置いて工事を進めるのが普通です。しかし、地味だけれども、こういった防音対策についても、一定の配慮を行えば、よりよいリノベーションを行うことができます。
購入しようとする中古マンションの防音効果が十分であるかどうかは、マンションの建築図面を調べれば、ある程度のことは分かります。建築図面は、マンションの管理組合などが保管していますから、取引を仲介する不動産会社などを通じて申し込めば、閲覧することができます。
床スラブの厚みは、200㎜以上あると、防音効果が高くなります。築年数の浅い最近建設されたマンションの多くは、床スラブの厚みが20㎜以上あります。一方、床スラブの厚みが15㎜以下であると、防音効果が低く、床下のマンション住民の生活音を十分に遮断できません。築年数の古いマンションには、床スラブの厚みが15㎜以下の物件が多くあります。
壁の防音効果が十分であるかどうかも、壁の厚みに左右されます。壁の厚みが180㎜以上だと、防音効果は十分に高いと判断できます。一方、壁の厚みが150㎜以下の場合には、防音効果は低いと判断されます。150㎜以下の場合には、壁の内部に吸音材や遮音材を入れるといいでしょう。
エレベーターが隣接している部屋では、エレベーターの機械音が聞こえてくることがあります。エレベーターに近くても、防音性能が高いマンションであれば、機械音がうるさいということはありませんが、防音性能の低い物件ですと、この機械音も無視できません。
エレベーターが近いと、廊下の人通りが多く、また、エレべーターを待つ人の話し声が聞こえてくることがあります。エレベーターに近いマンションでは、こういった騒音に悩まされるリスクがあります。深夜にエレべ―ターの機械音がうるさくて眠れないということになれば、せっかくの中古マンションの購入が失敗に終わってしまいます。
築年数が古く、防音性能が低いと予想されるマンションを購入する場合には、こういったリスクを防ぐために、できるだけエレベーターから離れた場所にあるマンションを選ぶといいでしょう。
日中はそれほどでなくても、就寝時には、トイレやお風呂を使用する音が気になるというケースもよくあります。トイレやお風呂の騒音はどうかということを調べるには、PS(パイプスペース)の位置を確認します。PSは、マンションの各部屋から流れる排水パイプのある場所です。PSの周囲では、騒音が発生する可能性があります。PSの位置を確認するには、マンション管理組合が保管している建築図面を閲覧します。寝室のそばにPSがあれば、就寝時に水回りの騒音に悩まされる可能性があります。
寝室のそばにPSがあり、就寝時の水回りの騒音が予想される場合でも、どうしてもその物件を購入したいという場合には、比較的大規模な工事になりますが、水回りのリフォームを行い、PSを寝室から離れた場所に移動するという方法もあります。
マンションには様々な通気口があります。まず、マンションの専有部分には、スリーブと呼ばれる吸排気口があります。スリーブは、スラブ(床版)を貫通して外気と接しています。この他、キッチン、トイレ、バスなどの水回りには必ず換気口が付いています。エアコンの冷媒管を室外機に接続するスリーブもあります。
この通気口から、様々な騒音がマンション内に入ってきます。意外と見落とされがちですが、この通気口から入ってくる騒音にも気を付けなくてはなりません。最近では、防音タイプの通気口も発売されていますから、防音タイプの通気口に交換することで、通気口を介しては入ってくる騒音をある程度防ぐことができます。通気口の交換工事は、他のリフォームと比較すると、費用が少なくて済み、また、工期も短くなります。費用は1か所当たり2~5万円、工期は数時間で済みます。
壁際に背の高い洋服ダンスや本棚を設置するだけで、隣のマンションからの騒音の多くの部分をカットできます。また、窓辺に遮音カーテンを設置すると、就寝時に窓から入ってくる小さな音をカットできます。
遮音カーテンには、人の声やペットの鳴き声をよく吸収するタイプのものや、車や電車の走行音をよく吸収するタイプのものがあります。困っている騒音のタイプに応じて、これに対応したものを選ぶことができます。壁紙の交換というと、少し手間がかかり、また、仕上がりのことを考えると、専門業者に依頼したほうが良いのですが、カーテンの交換であれば、自分でできます。
マンションの防音対策というと、大がかりな工事をリフォーム、イメージしますが、こういった簡単なことでも、ある程度の騒音は防ぐことができます。費用もほとんどかかりませんから、トライしてみる価値は十分にあります。
マンションの別の住民ルール違反を行い、その結果の騒音に悩まされる場合には、マンション管理組合に訴えて、一定の暮らしのルールを作ってもらうという方法もあります。例えば、「21時以降の楽器演奏は禁止する」「ホームパーティーは、共用施設のゲストルームで行うこと」などというルールを管理組合に作ってもらえば、十分な防音対策となります。
マンションの防音対策というと、マンションの改良というハード面のみが注目されていますが、こういったソフト面の対策も見逃してはなりません。マンション住民のマナーが向上して、できるだけ騒音を出さない暮らしを実践する人が多くなれば、より騒音の少ない快適なマンションライフが実現することは間違いがありません。
ルール違反をして騒音を出す人に直接注意すると角が立つので、できる限り、管理組合を通じて注意するようにします。注意を受ける方も、個人から注意を受けた場合よりも、管理組合から注意を受けた方が、それに従う可能性が高くなります。