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2019.06.10
最近は大地震や洪水が頻発し、それによる建物の倒壊被害が全国各地で連日のように報道されるようになっています。こういった状況下では、購入した中古マンションにかける火災保険の重要性がいよいよ増しています。そこで、以下では、中古マンションにかけるべき火災保険料の選び方について解説します。
中古マンションを購入した場合、火災保険に加入するのが普通です。マンションの場合、コンクリート造が主流なので、木造住宅と比較して耐火性能が高く、火災による大規模な災害は起こりにくいと考えられますが、それでも、火災保険に入らないというのは危険が大きすぎます。
火災保険に加入する場合には、まず、保険金額を設定する必要があります。この保険金額は、実際に火災の被害にあった場合に、保険会社から受け取ることができる保険金額の上限額です。この保険金額が高いと保険料が高くなり、反対に、保険金額が低いと保険料が安くなります。
保険金額は、保険をかける中古マンションの評価額と同じ水準に設定するのが、適切な補償水準を確保しつつ、保険料を節約するベストな選択となります。なお、中古マンションの評価額は、同等の物件を現在購入するとした場合に必要となる費用の水準で決めるのが一般的です。
火災保険の基本となる補償の範囲は、以下のとおりです。
火災保険の基本補償のみでは、家具や家電といった家財が火災の被害にあったとしても、保険会社から保険金を受け取ることができません。従って、家具や家財の補償も希望する場合には、基本契約に家財オプションを付ける必要があります。実際の契約では、基本補償だけでは不十分なので、ほとんどのケースで家財オプションが付けられます。
家財オプションの補償の範囲は以下のとおりです。
保険会社によっては、火災保険に家財保険を付帯させると、保険料が割安になるサービスを提供している会社があります。保険料の節約を希望される方は、そういった割引サービスを提供している会社を選ぶとよいでしょう。
最近は、全国各地で大規模な地震が頻発しています。また、東日本大震災を超える被害が予測される南海トラフ地震が近未来に発生することが確実視されています。地震による火災で中古マンションが被害を受けても、火災保険からは保険金を受け取ることができません。地震による火災の被害で保険金を受け取るためには、地震保険に加入する必要があります。
ほとんどの損害保険会社は、地震保険と火災保険をセットで販売しています。従って、火災保険には入らずに地震保険のみに加入するという選択はできません。その意味では、地震保険は、火災保険のオプション契約という感じになります。
地震保険に加入した上で、家財オプションを付けておくと、地震による振動で中古マンション自体は被害を受けなかったけれども、「タンスが倒れてテレビが壊れた」「棚から食器が落ちて割れた」という被害が出た場合、保険会社から保険金を受け取ることができます。
火災保険には水災オプションというサービスがあります。これは、大雨による洪水で中古マンションの内部に浸水があり、それによってマンションの壁や床、家財などが被害を受けた場合に、それを補償するというものです。
中古マンションの1階や2階に居住されている方であれば、最近は気候の変化によって全国各地で洪水による被害が多発しているので、自分が住んでいる地域が洪水の起こりやすい場所であれば、水災オプションを付けておいた方が良いかもしれません。
マンションの3階以上の場所に居住されている方であれば、洪水による浸水被害を受ける可能性がほとんどないので、水災オプションを付ける必要はないでしょう。無駄なオプションを付けることは保険料の無駄使いになります。なお、水災オプションに似たようなサービスとして、災害ではないけれども給排水管のトラブルによる水漏れ事故を補償する「水漏れ」オプションというものもあります。
火災保険に加入する場合、まず最初に、加入者が保険金額を決定します。保険金額は、実際に火災の被害にあった場合に、保険会社から受け取ることができる保険金額の上限額のことです。保険金額によって保険料の水準が決まってきますので、加入者は慎重にこの金額を設定する必要があります。
保険金額は、火災保険をかける住宅の評価額と一致させるのが原則です。ところで、住宅評価額の計算方法には、新価方式と時価方式の2つがあります。新価方式とは、同等の住宅を新しく購入するとした場合の購入費用をもって、住宅評価額とするという方式のことです。
一方、時価方式とは、新築時の建築費用から、経過年数による減価償却分を控除した金額をもって、住宅評価額とする方法のことです。中古マンションの火災保険の保険金額を決める際には、新価方式で計算した住宅評価額を利用することが一般的です。
中古マンションの火災保険料の相場は、床面積70㎡、建物の保険金額を1,000万円、家財を500万円とした場合、火災・落雷・風災の最小限度の補償内容で、年間3,000円~4,000円程度となります。最低限の補償に、地震保険を付加すると、1年間で20,000円程度の水準となります。さらに、盗難・水漏れ補償も付けると、1年間で23,000円程度となります。
一方、ある損害保険会社の保険料シュミレーションによると、床面積63㎡(3LDK)、築年数21年、評価額4,200万円(家財500万円)の中古マンションに火災保険をかけるケースを想定すると、火災、落雷、風災を補償する最低限の保険内容で、地震保険付きの場合43,680円、地震保険無しの場合27,470円となります。
いずれにしても、中古マンションの火災保険料は、必要最小限の補償内容にとどめた場合には年間5万円を超えることは少なく、それほど大きな負担にはなりません。
火災保険料の支払い方法は、毎月毎月1か月分の保険料を支払う方法、1年間の保険料をまとめて支払う方法、5年分の保険料をまとめて支払う方法、10年分の保険料を一括して支払う方法など、様々あります。
5年や10年の長期間の保険料を一括して支払う場合、保険料の割引サービスの適用を受けることができるのが普通です。少しでも保険料を節約したいと考えられる方は、長期一括払いの保険契約を締結するとよいうでしょう。
数年後にマンションの引っ越しが確実な場合でも、5年や10年の長期一括払いの契約で火災保険に加入することができます。契約期間の途中で引っ越し(解約)する場合、期間割で計算した未経過分の保険料の還付を受けることができます。従って、契約期間の途中で保険契約を解約しても、保険料の払い過ぎで損をするということはありません。
火災による中古マンションの損害に対する補償としては、損害保険会社が運営する火災保険の他に、都民共済などの火災共済があります。両者を比較すると、火災共済は、保険料が安い代わりに、補償内容が基本的なものに限定されており、火災保険は、保険料が割高だが、様々な災害による損害をしっかり補償してくれるという違いがあります。
火災共済の場合、特に「地震災害」と「自然災害」に対する補償が手薄になります。都民共済の場合、地震や津波などで住宅を失った場合に受け取れる保険金の上限金額は300万円です。この金額では、新しい住宅への引っ越し費用程度にしかなりません。
補償は最低限でよいから、とにかく保険料を安くしたいという場合は火災共済でものよいのですが、しっかりした補償を希望するのであれば、損害保険会社が提供する火災保険を利用したほうが良いでしょう。