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2019.09.27
犬の鳴き声がうるさいとか、エレベーターに猫の臭いがするなどといったペットに関する苦情は、マンションに関するトラブルの中でも多いものの一つとなっています。しかし、ルールを守ってきちんと飼育すれば、そういったトラブルの大部分は防ぐことができます。そこで今回は、マンション、そして中古マンションを購入した後にそのようなトラブルにならないようにするには、どのよう対処したらいいのかをご説明します。
「駐車場」「ペット」「生活音」がマンションの3大トラブルとして上げられています。特に「ペット」は、ペットを家族の一員として考えるマンション居住者がいる一方、ペットは苦手、アレルギーがあるので近づきたくないというマンション居住者も多く、この二つの立場の違いが、マンションでペットに関する深刻な対立を生みます。
ペットに関しては、深刻なトラブルになりやすいという点から、ペットの飼育を全面的に禁止しているマンションも少なくありません。しかし、管理規約でペットの飼育が禁止されていても、現実には、マンション内に何十頭ものペットが飼われていたという事例もあり、規約でペットの飼育が禁止すれば、マンションにおけるペットの問題が解決するかといえば、必ずしもそうではありません。
とにかく、マンションにとってペットに関するトラブルは、頭の痛い問題です。
国土交通省が実施した「平成25年度マンション総合調査」におけるペット(犬と猫)の飼育に関する部門の結果を見てみると、次のようになります。
ペットの飼育を無条件に認めているマンションンの割合は2.9%と非常に低く、100棟のマンションがあった場合、無条件でペットの飼育ができるのはわずか3棟程度ということになります。この結果は、マンションでペットと共存することの難しさを示しています。
半数近くのマンションではペットの飼育を禁止しています。約4割のマンションでは、飼育できるペットの種類に制限を設けた上で、部分的に許可していますが、その飼育可能なペットの種類に自分が飼いたいペットが含まれていない場合には、それはペット飼育が禁止されているのと同じです。
ある統計調査によると、2016年10月現在で、犬の飼育数が約990万匹、猫の飼育数が約985万匹となっています。犬の飼育頭数は年々減少を続けていますが、猫の飼育頭数は横ばいとなっており、現在の傾向が続いた場合、近いうちに、犬と猫の飼育頭数は逆転すると言われています。
近年、猫が増えて犬が減った背景には、マンション居住者の増加があると言われています。マンションでは、犬を飼っている人は肩身の狭い思いをします。猫であれば、飼育は基本的に室内で完結しますが、犬は散歩が必要になるので、飼育が室内で完結せず、その分、近隣居住者とトラブルになる可能性が高くなります。また、犬の鳴き声も苦情の対象になります。
マンションでペットを飼いたいのであれば、猫の方が良いでしょう。もっと言えば、飼育がゲージ内で完結するハムスターやセキセインコの方がマンションには向いているのですが、そういった小動物の飼育ではペットを飼う醍醐味をあまり味わえないのが実情です。
中古マンションを購入しようとする場合で、購入後にそのマンションでペットを飼いたいという場合には、購入の際に、希望物件でペット飼育が可能かどうか、また、可能な場合には、飼育できる動物の種類に制限が設けられていないかを確認する必要があります。
上記でもお話しましたが、ペットの飼育を全面的に認めているマンションの数は非常に少なく、ペットの飼育に関しては何らかの制限を設けているマンションがほとんどです。購入したマンションでペットを飼わない場合でも、動物アレルギーを持つ方や、ペット騒音に敏感な方であれば、ペットの飼育を全面的に禁止しているマンションに入る方が無難なので、やはり、ペットに関する制限を確認しておいた方が良いでしょう。
購入しようとするマンションのペットに関する制限を確認するためには、そのマンションの管理規約を見れば分かりますが、売買を仲介する不動産会社の担当者に依頼して確認してもらう方法が、最も簡単で時間がかかりません。
マンションにおけるペット(犬)のトラブルで多いのは、鳴き声、抜け毛、においです。犬の鳴き声がうるさいというのは、ペットに関する苦情の中でも非常に数の多いものになります。2002年には、上階の住戸で飼われていたペットの鳴き声がうるさくて不眠症になったとして、下階の住民が損害賠償を求める裁判が名古屋地方裁判所に提起されました。その結果、100万円の損賠賠償金を命じる判決がペットの飼い主に言い渡されました。
散歩に行く途中に落とした犬の抜け毛が、エントランスやエレベーターの一部に溜まって、汚いというのも、マンションの苦情で多くなっています。こまめに清掃を行えば、こういった問題の大部分は解決できるのですが、清掃が疎かだったりすると、他のマンションの住民の目について、苦情の原因となります。
ペットを飼うと、どうしてもペット特有の動物臭が付いてしまいます。共用部分にそういった動物臭が付くと、これも、苦情の原因となります。猫の飼育は基本的に室内で完結しますからこういった問題は起こりませんが、犬の場合には、どうしても散歩のときに、共用部分を使いますから、苦情の種になることがあります。
ペットの飼育が可とされているマンションで、ペットに関するトラブルを解決する方法としては、例えば、マンションの住民の中でペットを飼う人のみで構成される「ペットクラブ」を創設し、そのクラブで、マンションにおけるペットの飼い方やマナー講習を実施することが考えられます。
また、定期的に、ペットを飼う住民とペットを飼わない住民との間で話し合いの場を設けて、トラブルの原因となりそうな事由があった場合には、早めに見つけて対策を打てるようにすることも重要です。
管理組合の方でも、ペットの飼い方に関する規定を用意していない場合には、その規定を創設し、マンション内におけるペットの飼い方に関するルールを明確化しておくとよいでしょう。マンション内でのペットの飼育に関するルールが明確でない場合、ペットの飼育に関するトラブルが大変起こりやすくなりますので要注意です。
ペットの代表格は犬と猫ですが、特に犬は、マンションでのペットに関するトラブルの原因になり易い動物の種類です。マンション内で飼育するのに適している動物は、ハムスター、セキセインコ、ウサギなどです。これらの小動物は、鳴き声がない、またはあっても大きくないので、騒音トラブルになることはありません。また、飼育が基本的には室内で完結しますので、マンションの共用部分を汚すということもありません。
ただし、これらの小動物の寿命は短く感情的にもそれほど豊かではないので、犬や猫のように動物と非常に親しくなるということはなく、ペットを飼う醍醐味にかけるというデメリットがあります。ペットにかかる費用も少なくて済むのですが、その分、ペットを飼う楽しさも半減してしまいます。どうしても犬や猫を飼いたいという場合には、犬や猫の飼育を認めているマンションを探す他に方法はないでしょう。
マンションでペットを飼う場合には、次のような事項に気を付けると、周辺住民とのトラブルを回避できます。
マンションの管理規定などに、上記のようなペットに関する規定を定めれば、一層の効果が上がります。
犬や猫に関しては鳴き声、共用部分の汚れに関するものが目立ちますので、特に注意します。いずれの注意事項も、遵守することについてそれほど難しいものではありません。ペットに関するトラブルを防止して、ペットがいる生活を楽しみながら、できるだけ快適にマンション生活を送りたいものです。